〜瀬川 世三七編〜
更新日:2022.09.02
職人さんやショールームスタッフからお仕事のことやソファにまつわる様々なエピソードを聞かせてもらう「ソファと私」。今回お話を聞かせてくださったのは、張りを担当されているソファ職人の瀬川 世三七さんです。今のお仕事のことやこれまでのこと、さらにこれから挑戦したいことなど様々なお話を伺いました。担当はNOYESの木村です。
少しの加減で見た目が変わる
ヌード生地を被せて張る前に、ひっかからないようにシリコンスプレーをかけます
- ーー
- 瀬川さんは今年で職人歴何年目ですか?
- 瀬川
- 今年で4年目です。
- ーー
- 今はひじの張りを担当されていますが、これまではどんな工程を担当されてきましたか?
- 瀬川
- まず最初にクッション入れ、その後に検品検査、接着、下張りを担当して今に至ります。今担当しているひじの張りは7ヶ月目くらいです。
- ーー
- 4年間でいろいろな工程を通ってこられたんですね。ひじの張り、あっという間に完成していましたね。
- 瀬川
- 最近は早くなりましたが、最初は大変でした。1時間くらいかけていました。
- ーー
- 張るのが難しいソファはありますか?
- 瀬川
- 難しいのはNewSugar Maximum ComfortやVision CLの背です。どちらにも引き込みがあって、糸を使って内側に引き込んでいくのですが、加減は自分次第なので難しいですね。単純に大きくて重いというのもあります。特にVision CLは左右のバランスが少しでも違うと見た目に出てしまいます。
張りに使用するタッカー
- ーー
- 張りのときに使うタッカーには、タッカーはタッカーでもいくつか種類があるのですか?
- 瀬川
- よく使われているのが普通の「タッカー」で、木枠用のピンタッカーというのもたまに使います。普通のタッカーに比べて針が長いです。ほかにも、下張りで使うバネタッカーもあります。ごつくて重くて、バネを打ち付けるための太い針が入っています。それに打たれると…だめですね。(笑)
- ーー
- 作業をしていて指にかすったりすることってあるのでしょうか…。
- 瀬川
- 普通のタッカーを打ったことがあるんですが、針を抜くときがすごく痛かったです。
- ーー
- 想像しただけで痛そうです…。たまにはけがをしてしまうこともありますよね。
- 瀬川
- ありますね。みんな、打ってからがスタートみたいな。(笑)
お客様に届くことを考えて
ヌードを被せて整えたら、タッカーを使って張っていきます
- ーー
- ソファ職人になろうと思ったのはなぜですか?
- 瀬川
- ソファに限らずものづくり全般が好きで、家の近くでものづくりの仕事ができるところを探していて、エヌワイ工業を見つけたのがきっかけです。
- ーー
- 張りの作業の中で大変なところはどこですか?
- 瀬川
- 今は慣れてきましたが、最初は張るときにヌードを持ってくる動きが大変で、初めて挑戦したときは筋肉痛になりました。早さも求められるので、次を考えながら作業するのも大変です。
ヌードをしっかり持ってきて、張る
- ーー
- 張りに限らず、作業をする上でこだわっていることを教えてください。
- 瀬川
- やっぱり1番は綺麗に仕上げることです。完成しても、なんだか気に入らないと思ったら針を抜いてやり直します。社長がよく「お客様に届くことを考えて作業してください」と仰っていたのですが、入社してすぐの頃は見えないお客様のことをはっきり想像するのが難しかったです。それでも、経験を積んでお客様の声を聞いて、お客様はこんなところも見てくださっているんだというのも実感するようになってみて、やっぱり仕上がりにはこだわりたいと思っています。
出会いを大切に
ものさしを活用してヌードを綺麗に伸ばします
- ーー
- 職人になってよかったなと思うことはありますか?
- 瀬川
- ライベートでライブに行った時、そこで仲良くなった女性とお互いの仕事の話になって、ソファの職人をしていると話したら「すごいですね!」と褒められて嬉しかったです。「私って職人なんだな」と。それだけではないんですが…。
- ーー
- そのほかには、例えばどんなエピソードが…?
- 瀬川
- ソファを作っていなければここにいる方と出会えていませんでした。年上の方も多く、先輩方からいただける言葉は人生で重要だな、と最近よく思うんです。
じゃーん!片ひじの完成!
- ーー
- 最後に、これから挑戦していきたいことや仕事に対する意気込みを教えてください!
- 瀬川
- 今はまだ教えてもらうことが多く、受けた指示に従って作業していますが、これからは人に教えていけるような人になりたいなと思っています。教えるということは自分がやっていることを言葉にして相手に伝えることで、自分の伝えたいことを相手にしっかり伝えるのは難しいことだと思います。表現力を上げて、教えられるようになりたいです。
張り作業のポイントをわかりやすく教えてくださいました
笑顔を見せながらてきぱきと張りをこなしていく姿がかっこよかったです。インタビューにもユーモアを交えて答えてくださり、作業場でもインタビューでも節々から明るくて気さくな人柄が伝わってきました。ヒップホップをよく聴くそうで、おすすめも教えていただきました。お忙しいなか、インタビューにお応えいただきありがとうございます!
ソファ職人 瀬川が愛するソファ
寝心地のいいソファって、ありそうでない。そんなソファなら。
marucco
NOYESソファの中でも、全体的な丸みがありやさしい印象が特徴的なmarucco。丸みがあっても野暮ったくなく、ありきたりにならず、ちょっぴり個性的。そんなワガママが詰まったデザインです。ソファ前⾯は、なだらかにカーブをつけて床に座った時にもたれやすくなるように配慮。付属クッションには、モッチリとした弾⼒のあるパフ材の⼊ったウレタンを使⽤し、クッションやひじ置き、枕にもお使いいただけるようにしました。
瀬川さんも、maruccoの丸くて可愛らしいフォルムがお気に入りだそう。
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NOYESのソファはソファ職人が高い技術で心を込めて一つ一つ丁寧にお作りしています
NOYESでは、ソファ作りの面白さや難しさを共に学び、情熱をもったソファ作りが出来る環境を維持していきたいと考え、国家資格である1級椅子張り技能士の資格を持つソファ職人育成に力を入れております。どうぞ応援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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また、ソファの可能性をさらに広げるために、職人一人ひとりの進化のために、取り組み続けているプロジェクトがございます。その1つが「クリエイターズソファ」です。NOYESのソファ職人一人ひとりが自由な発想でソファをデザイン。気になる方はぜひチェックしてみてください。