〜杉山 真編〜
更新日:2022.10.21
職人さんやショールームスタッフからお仕事のことやソファにまつわる様々なエピソードを聞かせてもらう「ソファと私」。今回お話を聞かせてくださったのは、検品検査を担当されているソファ職人の杉山 真さんです。今のお仕事のことやこれまでのこと、さらにこれから挑戦したいことなど様々なお話を伺いました。担当はNOYESの木村です。
設計通りの形で届ける
ヌード生地が張られた状態からスタート。ここからカバーを被せていきます。
- ーー
- 杉山さん、今日はよろしくお願いします。検品検査の工程を担当されているとのことですが、先ほど作業風景を見せていただいたところは「検品」の段階ですね。
- 杉山
- はい。検品です。カバーを被せて検査に渡すところです。
- ーー
- 「検査」をされる時もあるんですか?
- 杉山
- この工程に来て、最初は検査から入りました。検査から始めてソファの特徴を掴んだうえで、現状は検品を半分担当しているという感じです。今はハイブリッドに動いていますね。現場を回しつつ、誰かに指示を出しつつ、フォローをしつつ、と現場を円滑に回す作業をしています。検品検査チームの回しを担当しているというのが正しいですかね。
角を合わせながらカバーを被せていきます。
- ーー
- 杉山さんにとって作業をするうえでのこだわりはありますか?
- 杉山
- 角をしっかり合わせてカバーを被せる、整える、というところです。ソファにカバーを被せるときに、角のラインをしっかり合わせることで設計通りの形になります。
行動力からつながる縁
ひじのラインもしっかり合わせることが大切。
- ーー
- 杉山さんは今年で職人歴何年目ですか?
- 杉山
- 4年くらいです。アルバイトとして1年働いてから、社員になりました。
- ーー
- 職人になるきっかけはなんでしたか?
- 杉山
- 当時はライン工場にいて、機械を使ってものを作っていました。「手作業で」作りたいなと思ったのが発端です。でも、当初は求人の募集がなかったんです。
- ーー
- そうだったんですか。ここで働きたいですって伝えたんですか?
- 杉山
- 今はコロナ禍で控えめになってはいますが、工場見学を行っていて、ホームページにも載っているのを見ました。それがきっかけで「変わったものづくりがしたいな、ソファには全然縁がなかったな」と気になってきて。一から最後まで自分の手で仕上げていたりとか、自力で作業していたりとか、そういった部分に惹かれて、「募集はしていないですよね…」と。
- ーー
- その当時は募集していなかったものの、機会があったんですね。
- 杉山
- 最初は「していないです」と断られたんですが、その後電話をもらって、面接をすることになりました。
- ーー
- ご縁があったんですね。
- 杉山
- 工場見学に行って募集をしていないことを聞いて、しばらくしてまた気になったら電話してみて、と言われて。そのまま終わった足でショールームに行きました。実際にここのソファはどうなのかな、と思ってソファを買いました。
- ーー
- 終わった足で!行動力が素敵です。実際のところ、どうですか?
- 杉山
- 実際にしっかりしています。
- ーー
- どのソファを買ったんですか?
- 杉山
- もう廃盤になってしまいましたが、Loungeの1人掛けを買いました。引っ越してくるときに実家に置いてきたんですが、父親がいつも座っていてテレビを見ています。
座面は座った時にシワにならないよう、奥までしっかりカバーを入れます。
- ーー
- 職人になってよかったと思うことはありますか?
- 杉山
- どの業界でもそうかもしれないですが、特技になることですね。飛び抜けた特技が身につくかなと思います。
仕事で身につけた技術が趣味にも活きる
ヘラを使って細かいところも奥までカバーを入れていきます。
- ーー
- 思い出に残るエピソードはありますか?
- 杉山
- 仕事中のことではないですが、いろいろな場面で仕事で身につけたことが役に立ったことです。やったことはないのに見ていただけで家で似たようなものが作れた、とか。
- ーー
- お家でもものづくりをされているんですね。
- 杉山
- オットマンみたいなものを自分の高さに合わせて作りました。タッカーの針ではなくてクギで留めたりしているのですが、なんちゃってでも、仕事でしていた技術が家でもちゃんとできるのが嬉しかったです。好きなものを作ることに活かせています。
- ーー
- 最後に、これから挑戦していきたいことや仕事に対する意気込みを教えてください!
- 杉山
- クッションチームから始めて今は検品検査の工程にいて、カバーや布に関してはひたすら触っているので、いいところまで行っているとは思うのですが。木枠や接着というような、まだ組み立てている段階の方はほぼ手つかずの状態なので、そこをできるようになりたいです。そうすれば自分でソファを作れるな、と。1から作るために、工程の1からやりたいです。
最後に必要なものが揃っているか確認してチェックリストに記入。検査の工程に引き継ぎ。
丁寧に、かつ素早く自身の作業を進めながら周りの職人さんにも指示を出し、広い視点を持って動いている姿がかっこよく印象的でした。工場見学に行ったり、実際にソファを買ったり。杉山さんの行動力の高さと意志の強さが伝わるお話をたくさん聞くことができました。お忙しいなか、インタビューにお応えいただきありがとうございます!
ソファ職人 杉山が愛するソファ
主張しすぎないシンプル、1枚座面が特徴のローソファ。とにかく硬い、この硬さがどんどん良くなってくる座り心地
Decibel Standard
Decibel StandardはNOYESのローソファシリーズのスタンダードモデルとして、ローソファ開発のノウハウを注ぎ込んだモデルです。より広く、よりスマートにと数々の試行錯誤を経てうまれた「スクエアな意匠」が上質な空間を演出します。ローソファの原点である『座る姿勢よりも寝転んでくつろぐ』ことを愉しめるソファとなるよう、身体が自然となじむ硬めの座り心地を追求しました。
杉山さんは座り心地が柔らかめのソファよりも、硬めのソファが好きだそう。沈み込み過ぎず、コンパクトで使い方が幅広いDecibel Standardが好きだと答えてくださいました。
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NOYESのソファはソファ職人が高い技術で心を込めて一つ一つ丁寧にお作りしています
NOYESでは、ソファ作りの面白さや難しさを共に学び、情熱をもったソファ作りが出来る環境を維持していきたいと考え、国家資格である1級椅子張り技能士の資格を持つソファ職人育成に力を入れております。どうぞ応援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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また、ソファの可能性をさらに広げるために、職人一人ひとりの進化のために、取り組み続けているプロジェクトがございます。その1つが「クリエイターズソファ」です。NOYESのソファ職人一人ひとりが自由な発想でソファをデザイン。気になる方はぜひチェックしてみてください。