ソファの世界

職人道 ソファと私

竹沢 迪編

2022.12.16 update

職人さんやショールームスタッフからお仕事のことやソファにまつわる様々なエピソードを聞かせてもらう「ソファと私」。今回お話を聞かせてくださったのは、クッション入れを担当されているソファ職人の竹沢 迪さんです。今のお仕事のことやこれまでのこと、さらにこれから挑戦したいことなど様々なお話を伺いました。担当はNOYESの木村です。

状況に合わせた動き方を意識

まずは樹脂綿の表面をチェック。凹凸やよれがないか確認します。
木村 竹沢さん、本日はよろしくお願いします。クッション入れを担当されているとのことですが、具体的にどんなことをされているのですか?
竹沢 僕はソファの座クッションをメインでやっています。クッションにカバーを被せていくところです。同時に後輩に教えたりもしています。あとはソファを段ボールに梱包して出荷したり、外の片付けも担当しています。
木村 クッション入れだけではなくその先まで担当されているんですね。職人になってどれぐらい経ちますか。
竹沢 今年で3年目ですね。
木村 作業をする上でこだわっていることはありますか?
竹沢 1個でも多くクッションを入れることと、手の使い方とスピードを意識しています。あとは自分自身の動き方も。
木村 手の使い方とは、どういうイメージですか。
竹沢 手を入れてマチを直すのですが、マチをどれだけ早く倒せるか、カバーを被せるときもずれることなく1回でどれだけ早く被せるか、というところを意識しています。動き方は、座クッションを取りに行く時に走るか走らないかとか。あとは周りを見て、後輩が困っていたらそこを見る動きをしたり、梱包の指示もしたり、状況を見て動くことを意識しています。
カバーを被せる前に「ヌード」を被せていきます。

幼い頃から親しんだものづくりと、憧れの先輩と

木村 ソファ職人になるきっかけはなんでしたか?
竹沢 ものを作るのが小さい頃から好きで、そういう仕事に就こうという想いがずっとありました。最初は建築関係で大工を目指していましたが、自分の中で何かがあったのか、考え方が変わって。インテリアを見るのも好きなので、インテリアを作ってみたいと思うようになって、その時にエヌワイを見つけました。ちょっと見学に行ってみようと思って、見学に行った時に「あ、ここだな」って自分の中で決まりました。学校の先生とか色んな人にここの方がいんじゃないか、と言われたりしたのですが、やっぱりここがいいって自分で決めました。
木村 見学に行ってみたら、決め手となることがあったのですね。
竹沢 その時は「立ち上げ」といって新商品をみんなで勉強するタイミングだったので、ソファを作る工程をあまり見学では見られなかったです。雰囲気ですかね。待合室に安部さんがいてくださって、いい人だなと思って。この人みたいになりたいなと思いました。安部さんという憧れの先輩ができたのが決め手でした。
木村 工場に入る前も自分でなにか作ったりされていたんですか?
竹沢 そうですね。親と作っていました。1から作るよりは色を塗ったりとか、もっと良くしたいところを話し合って作ったりしていました。
木村 ご両親もものづくりがお好きなんですね。
竹沢 特にお父さんですかね。お母さんは意見をもらったりします。
木村 そのときは何を作ったのですか。
竹沢 テーブルですね。テーブルの色が部屋と合っていないから、ちょっと暗めな色にした方がいいんじゃないかと話し合いました。
ずれがないか確認しながら進めます。
クッションとヌード生地のサイズはぴったり。気をつけて被せます。

デザインにも挑戦したい

木村 職人として仕事をしていく中で思い出に残っているエピソードはありますか。
竹沢 去年くらいにオットマンを1から作る機会があったんですよ。僕が入った年はコロナの関係でできなかったのですが、その次の年に後輩と一緒に作って。その時にものづくりというか、ソファを作るのを接着の工程から1から学んで、すごく楽しいなと。こういうのがソファ作りなんだと実感しつつ、もっと色々なものを作りたいという気持ちになりました。
ヌードを被せたら、次はカバーを被せます。
カバーもぴったりのサイズなので、丁寧にファスナーを閉じていきます。
木村 ソファを1から作る機会があるのですね。
竹沢 カバーも自分で切って、ミシンで縫って、そういう風に全部1からやります。大変だなと思います。
木村 他の工程もやってみたいと思うことはありましたか?
竹沢 色々な工程を勉強したいですが、下張りを1番やりたいですね。タッカーを使うというのをやりたくて。接着ももちろんやりたいのですが、下張りって元の木枠を見るわけじゃないですか。今は見る機会もないので、そこでも学べることがあるかなと思っています。下張りから接着と、順にやっていきたいです。
木村 ソファ以外で作ってみたいものもありますか。
竹沢 作ってみたいというよりは、デザインしてみたいですね。色々な家具を自分の趣味に近づけて作ってみたいです。
最後に全体を丁寧に確認して、完成。

幼い頃からものづくりに親しんできたからこその「作ること」への想いの深さを感じました。竹沢さんのデザインしたインテリアを見ることができる機会がいつか来ることを楽しみに思っています。お忙しいなか、インタビューにお応えいただきありがとうございます!

ソファ職人 竹沢が愛するソファ

暮らしの“かなめ”になるソファ
Decibel C4

ロースタイルモデルとしての登場以来、多くの人から愛され続けているソファがこのDecibel C4。座面の高さが290mmと低く、私たちのDNAにとって一番しっくりくる床に近い暮らしもDecibel C4のおかげで素敵にキマる。「低く、広く、かっこよく」というコンセプトのDecibelシリーズの中でも最も長い歴史を持ち、モデルチェンジを経て落ち着いたのは、所々に曲線やボリューム感を取り入れたこの形。いつもの暮らしの“かなめ”となり得るソファです。

どのソファが好きですか、と聞くと、竹沢さんは「選べないですね~」と迷いながらもDecibel C4の両ひじと答えてくださいました。両ひじタイプの見た目の収まりの良さがポイントで、今1番欲しいソファだそうですよ。

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ソファ職人が高い技術で
心を込めて一つ一つ丁寧に
お作りしています

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