生地選びが、もっとたのしくなる。
生地の事なら後藤さん
2008年7月号
特集
ウォッシャブル生地で快適生活
「キジゴト」の特集第二回目は、これからの暑い季節に大活躍する
”ウォッシャブル生地”特集です。
ウォッシャブル生地の成り立ちのお話から、
ご家庭でのメンテナンス方法までを細やかに。
今回も全て「後藤さん」がズバズバッと答えてくれました。
- ソファ生地の「ウォッシャブル機能」は いつ頃から採用されるようになったのですか?
- 詳しいことはちょっと分からないですが、自分が知る限りでは、およそ20年前くらいのことだと思っております。およそ20年前くらいから「カバーリングソファ」という概念のソファが登場した時期でもあって、そのカバーリングソファに使用されるソファ生地に対して、マーケットインの発想でユーザー様からのニーズの一つとしてウォッシャブル(5洗いができる)という機能が求められたことから、ウォッシャブル機能という考え方が出てきたと思います。
- なるほど。使う側の視点から生まれた機能がウォッシャブル機能なんですね。ウォッシャブル機能にするために何か生地に特殊な加工をしたりするのですか?
- ウォッシャブル機能は撥水加工のように薬品に付けたりする等といった特殊な加工は一切施していないんですよ。
- へぇ~?そうなんですね?では、どの時点でウォッシャブル機能が付加されるかということになるのでしょうか?
- まず、ウォッシャブル機能がどの時点で付加されるかの前に、繊維の特徴のお話からいたしますね。繊維にはそれぞれ特徴があります。例えば綿は保温と防暑に優れているけど色落ちがし易いとか、レーヨンは保温性に優れ吸水性があるけどシワが寄りやすいとかですね、それぞれの繊維には長所と短所があります。そんな中で水洗い=洗濯性が優れている繊維となりますと、一般的に天然繊維は縮みやすく色落ちもし易いことから化学繊維の方が洗濯性能は高いんですね。その中でも特に洗濯性能が高い繊維はポリエステルなんですね。ポリエステルは、水に強く、縮みにくく、色褪せもしにくく、さらに乾きも早いいという特性があります。その為他の繊維に比べて洗濯性能が高く、ウォッシャブルに適している繊維の代表選手となっています。
- っていうことは、ポリエステル繊維が使用されている生地がウォッシャブル機能ということになるんですか?
- いやいや(笑)そういうことではないんです。ポリエステルだからといってウォッシャブル機能ということではないんです。もう一つ「織り方」ということもウォッシャブル機能を付加することにとって密接に関わってきます。そういったことを踏まえ、「では、どの時点でウォッシャブル機能付き」というソファ生地になるかということですが、ソファ生地が市場に投入される前に必ずJIS試験を受けるんですね。そのJIS試験の中に洗濯性能に関わる項目がございまして、その項目がある一定の基準値を超えているとウォッシャブル機能として生地に付加できるようになります。
洗濯性能を測る試験のご紹介(抜粋)
試験番号 | 呼称 | 試験内容 | 規定 |
---|---|---|---|
JIS L0217 | 103法 | 吊り干し乾燥 | 3%以下 |
JIS L0844 | A-2号 | 洗濯 | 3級以上 |
JIS L0849 | 2型 | 摩擦 | 3級以上 |