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生地の事なら後藤さん

2008年7月号

特集

ウォッシャブル生地で快適生活

「生地のことなら後藤に聞け」特集レポート:ウォッシャブル生地で快適生活

洗えるだけじゃだめ。乾かすこともできないと

語り手:後藤さん
ただし、洗うことはクリアできているけどアイロンなどを使って乾かす際に問題が発生する可能性がある場合はウォッシャブル機能としては付加できません。では、乾かすときに問題が発生するか否かの検査はどうするのかということですが、実はそういった検査はJISの検査基準の中には設けられていないんですね。
 

織り方も大切なんです。

聞き手:スタッフ
え?そうなんですか?
語り手:後藤さん
そうなんですよね。でもそれには理由があるんですね。それはなぜかと申しますと、ソファ生地に限らず織物は様々な「織物規格」がありますよね?その織り方によっては緻密具合が異なります糸密度が込んでいる緻密な織物と糸密度が淡い織物では、生地の収縮具合に差が起きてきます。その為、織り方、織機の個性、新しい技術の導入などで変化が伴ってきます。
聞き手:スタッフ
なるほど~。
語り手:後藤さん
例えば、同じ化学繊維で一方は緻密な織り方の織物、もう一方は粗引いた織り方の織物があるとします。どちらも洗濯性能の試験値はクリアしているとします。でも、粗引いた織り方の織物に糸と糸に隙間が空いているとします。そうすると乾かしていく過程の中で、その糸の隙間にもう一方の糸が入り込もうとするため、結果として糸が縮み全体が萎縮してしまいます。そうなりますと、例え洗濯性能のJIS試験をクリアしていても乾かすときに問題があればウォッシャブル機能として付加することができませんよね。
聞き手:スタッフ
そうですね。ウォッシャブル機能というのは洗うことも乾かすことも、その両方の問題点がクリアされていないと心配で安心して使えませんよね。では、どうやって織り方も踏まえ安心して使えるウォッシャブル機能付き生地ができあがるのでしょうか?
語り手:後藤さん
それは、メーカーの経験則に寄るところが大きいです。もしくは、開発段階からウォッシャブル機能が付加できるよう繊維と織り方を意識してもの作りを進めていったりもします。メーカー独自の基準値や検査方法を設けていたりもしますが、いずれにしても、繊維の長所と短所が関わる洗濯性能にしても、織り方が関わる乾燥性能にしても、ほぼ確実に問題が起きないという自信と裏付けがない生地はどのメーカーもウォッシャブル機能としてソファ生地に付加を致しません。そう考えますと、現在市場に出ているソファ生地のその殆どは経験と実績そして検査という厳しい過程をクリアしているウォッシャブル機能生地となります。
聞き手:スタッフ
そうなんですね!安心しました!さすが物づくり大国日本ですね。洗ったら縮んだり色が褪せたりしたらビックリしますもんね。
語り手:後藤さん
そうですね。ウォッシャブル機能はとても便利な機能でもありますし、生地に余分な負担をかけることもないですので、私もお薦めの機能です。
 

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