生地選びが、もっとたのしくなる。
生地の事なら後藤さん
2008年7月号
特集
ウォッシャブル生地で快適生活
- 小さな汚れが付いてしまったりした場合、その汚れの部分だけ洗ってもいいのでしょうか?
- できれば、避けていただいたほうがいいですね。ご面倒ではございますが、部分洗いをしてしまうと乾いた後にワジミになりやすいんですよ。ですから部分洗いはできるだけ避けていただいて全体洗いをお薦めします。
--------"ワジミ"の防止策は?
汚れた箇所を重点的に洗浄し、最終的に全ての生地を水に浸けてよくすすぐことがポイントとなります。洗剤が残っていたりするのもシミになってしまう要因となりますので、洗剤が落ちるまでしっかりと丁寧にすすいで下さい。
- 部分洗いはワジミになりやすいんですね。勉強になりました。
- いえいえ。(笑)次は乾燥方法ですが、すすぎ洗いを終えたソファのカバーをバスタオル等を利用してある程度水分を取り除いてください。このとき、絞ったりしてしまうと繊維に対する付加が高くなってシワや繊維の表情が変わってしまう恐れがございますのでご注意ください。その後、陰干しをしていただくことになりますが、陰干しされる前にある程度シワを取り除いてから陰干しするといいでしょう。シワが残ったまま陰干ししてしまいますと乾燥したときにシワがのこったままになりそのシワは取りにくくなってしまいます。
- なるほど。しっかりとシワを取り除いてから陰干しをしないといけないのですね。でも、中々、陰干しといわれましても本体のカバーも大きいですし、日陰にそんな大きな場所を作らないといけないし、普通に干したらやっぱりだめですかね?
- そうですね。大変だと思いますが、永くお使い頂くためにはやはり生地に負担をできるだけかけないようにして頂くことが一番いいんですね。普通に直射日光で干してしまいますと、色落ちの原因にもなってしまいますので、お手数ですが陰干しをお薦めいたします。また、タンブラー乾燥機、脱水機は絶対に使用しないようにしてくださいね。
- ソファの生地って本当にデリケートなんですね。では、アイロンの掛け方にも注意事項がありましたら教えてください。
- アイロン掛けをする場合は、あて布を使用してください。また、繊維によって温度調整も必要となりますので、覚えておいて頂くといいですよね。
アクリル素材:低温
ポリエステル素材:中温
ポリエステルよりもアクリル素材のほうが融点が低いためアクリル素材の生地を高い温度でアイロン掛けをしてしまうと解けてしまう恐れがございますので注意が必要です。また、一般的にソファ生地の裏面には裏糊が塗布されている場合が多いのですが、ソファ生地の裏側にアイロンを掛けてしまうとその裏糊が解けてしまいますので、裏面へのアイロン掛けは控えてください。
- いやー、勉強になります。ウォッシャブル機能と一言で言っても色々な事が関わってるんですね。でも、なんだかウォッシャブル機能とは何か?また、お手入れの注意点などがわかったので、今後の生地選びの参考にとてもなりました。最後に、後藤さんから読者の皆さんに一言どうぞ。
- はい。ウォッシャブル機能の本質は中々知ることもありませんが、ご自宅で、お客様ご自身の手で、気軽に洗っていただくことができるのでウォッシャブル機能はお客様にとってとても安心感がある機能かと思います。また、お手入れの行き届いた清潔な生地を永く使っていただけるということはひとつのエコロジーにもつながりますし、加えて、こうして生地の特性やお手入れについての予備知識があれば生地の寿命はさらに延び、余分なトラブルも回避することができかと思います。ウォッシャブル生地を永く大切に使っていただき、ソファへの愛着を深めていっていただければこれ以上の幸せはありませんよね!