生地選びが、もっとたのしくなる。
生地の事なら後藤さん
2008年9月号
特集
知って安心、生地の試験
- そうなんですね。見栄えは悪くてもしっかりしている生地、またはその逆もあるってことですね。 では、実際にどんな試験をしているのでしょうか?
- 主な試験項目を箇条にして説明していきましょう。
■染色堅牢度テスト
NOYESでもそうですが、取り扱っている生地カラーは1色だけ、とは限らないですよね。3色、5色、多いものでは9色ものカラーバリエーションがある場合もあります。この「染色堅牢度」のテストは大きく分けて2つあり、まずひとつは「耐光」といって、日光に強いかどうかを検査します。もうひとつは「摩擦」といって、白い生地と対象の生地を擦り合わせて色写りするかどうかを検査します。これらは対象となる生地の全色をテストし、色によって多少の変化はありますが、万が一基準値を満たしていない生地があればどの位危険性が高いのか、公共の検査機関に依頼したデータと照合し、判断しています。
■ピリングテスト
ピリングとは"毛玉"という意味です。 お客様がリラックスしていただく為に買ったソファにすぐ毛玉が出来てしまっては大変です。 特殊な検査機に入れ、生地と生地を10時間以上擦り合わせて判断します。そのJISの検査基準が等級別にあるのですが、すぐにピリングが出来てしまうものは「1級」とし、ピリングが出来にくい最高ランクは「5級」となっています。私たちの基準値は「3級以上」であればOKです。
■滑脱抵抗力テスト
少し聞き慣れない言葉ですが、簡単に言うと縫製、つなぎ目が破れてしまわないかを検査します。 過去のデータと照らし合わせながら、繋ぎ目に負荷をかけてゆき、15kg以上負荷をかけても耐えられるものを合格としています。
■摩耗強度テスト
"滑脱抵抗力テスト"とは異なり、生地に縫製などの繋ぎ目がない薄い生地などが摩擦、消耗にどれほど耐えられるかを検査します。 CC400のサンドペーパーで100回こすって生地を確認し合否判定をします。
■引き裂き強度テスト
これも"滑脱抵抗力テスト"とは異なり、生地自体の強度を検査します。縦と横に1.5kg以上負荷をかけても耐えられるものを合格としています。
■引っ張り強度テスト
生地が伸びやすいかどうかを検査します。縦と横に25kg以上負荷をかけても耐えられるものを合格としています。