生地選びが、もっとたのしくなる。
生地の事なら後藤さん
2008年12月号
特集
冬・ウール・そしてMO。
- そうですね、あれは羊毛を糸にする段階でふくらみのあるツプツプとした撚り方をしている為にできる凹凸です。
- 撚り方であの独特な風合いが出るんですね。 MOは単色のなかでも絶妙な色味が表現されていますよね。
- それが生地の"味"となっていますよね!
- ではここで機能についてお伺いしたいと思います。 ウール自体に"空気清浄"の作用があるとのことなのですが、ウール初心者の私としてはどのような構造がその作用を生むのかがすこし分からないのですが…。
- ウール自体が日本の四季、梅雨、乾燥する冬場があったりしますよね。そうするとウール自体が繊維の中に水分を保有しているんですね。ウールの特性としてその水分が、乾燥している時は外に出て、逆に湿気がある時は空気中の水分を吸収します。そのことが"空気清浄作用"に繋がっていくわけです。
- 繊維自体が呼吸しているということですか!ウールは外的な環境に適応するんですね。
- 綿や麻もウールの様な作用はあるのですが、ウールはそれが顕著に効果があるということですね。
- ウール繊維は水分と空気を含んでいるのでしょうか?
- ウールという繊維は弾性回復力を持っています。 綿のセーターとウールのセーターを触り比べたときに、綿はしなやかで平たく、ウールは弾力性がある感じでふんわりしていますよね。繊維自体の弾性回復力の違いがありますから、ウール自体が空気を含むというというよりも繊維特性の違いになりますね。
- レザーの表面はどちらかというと冬場はひんやりしていて、座っている内にだんだんと体温に近づいていきますよね。 MOは、クリンプによって接触面(人体など)との間にわずかな隙間を作って、人間が程よく感じる温度を長時間保てるのかな?とも思うのですが…
- なるほど、それはウールのひとつの特徴を理解して頂いた表現かな、と思います。
- だんだんウールに対する理解が深まってきたように思います(笑) それにしても、"ウール"と言いますと少なからず毛玉ができると思うのですが、MOではあまり見当たらないですよね?
- これは糸の撚り方により、目立ちにくい仕上がりになっております。 それでも気になってしまう場合は、毛玉をカットするなどの日頃のお手入れをこまめにして頂けるとより永くお使い頂けると思いますよ。
- なるほど~。ショールームに展示してあるソファの中では、人気の高いDecibel ProfessionalにMOが使用されていますが、毛玉を見つける方が本当難しかったです(笑)高級なウール糸が使われているというのも納得です。 ところでMOはどのタイプのソファに適している生地と言えるでしょうか?
- そうですね~、 ソファのデザイン性を問わない生地であり、どのお部屋のインテリアにも馴染むカラーラインナップかと思いますよ。
- 今日お話を伺って、万能で高機能な生地であるということを改めて知ることができました! それでは、最後にひとこと宜しくお願いします。
- 「環境に優しい」。その先駆け的な生地であるMOは今の時代の流れにも、お客様からのニーズにも非常にマッチしているのではないかと思っています。私といたしましては、従来の生地ラインナップとはまた違った新たな切り口としてMOを採用した経緯があったので、お客様にご好評を頂いているということをとても嬉しく感じています。そういった意味では、お客様にMOという生地を育てていただいているのかなあと思っています。